記事を検索

AWAKENING vol.3|忙しくても「美肌」は作れる?医師がおしえる美肌アドバイス

SUMMARY

  1. ・美肌のカギは「ラメラ構造」にあり
  2. ・1日の美肌ルーティーン
  3. ・完璧主義をやめよう!
各分野のプロフェッショナルに、健康、ライフスタイルから、人生の“気づき”をシェアしてもらう連載Lypo-C presents『AWAKENING』。 誰もが憧れるものといえば、ハリとツヤのある「美肌」ですよね。 しかし、日々の仕事、家事、育児など、多忙を極める私たちにとって、十分にケアできていないのが現状です。 そんな多忙な中でも「美肌になりたい…!」と願う方へ、今回は美肌のスペシャリスト、美容皮膚科医の三輪菜つ美先生に、多忙な人でも実践しやすいアドバイスをいただきました。悩める方は必見です!  
三輪菜つ美(美容皮膚科医) 東京・新橋の「ロナロナクリニック」院長。自身も研修医時代に、多忙からひどい肌荒れを経験し美容皮膚科を志す。 著書に「ラメラの秘密:女医が教えるお肌のシンプルケア」(幻冬舎)。TV、雑誌などメディア出演も多数 https://lonalona.jp/

美肌のカギは「ラメラ構造」にあり

「美肌」といえば、スキンケアやコスメについて語ることがほとんどですが、三輪先生は「まずは肌構造について知ること」だと語ります。 「そもそも美肌とは、肌の一番外側にある角質層が良い状態に保たれていること。その角質層の中で最も大事なのがラメラ構造です」。 角質層には、角質細胞があり、その間を埋めているのがラメラ構造。 水分と油分がミルフィーユのように重なっており、とても繊細で壊れやすい部分。 この水分と油分のバランスが保たれている(=ラメラ構造がキープされている)ことが美肌で最も大事。

肌で生きている「菌」も大事

ラメラ構造と並び、美肌に欠かせないのが「菌」の存在。 人間はたくさんの菌とともに生きており、最も菌が多く集まるのが「腸」です。おなじように、肌の表面にも菌が存在しています。主に3種類。 ① 美肌菌 ② 悪玉菌 ③ 日和見菌 この3つの菌のバランスを取ることが大事です。 美肌には、「ラメラ構造」と「美肌菌」の2つが大事。 そして、この2つを壊す原因は、洗いすぎ、睡眠不足、食生活の乱れ、紫外線などなど。次のパートで詳しく紹介していきます。 多忙な人でも実践しやすい。1日の美肌ルーティーン 今回は、多忙な人でも実践しやすいよう、1日の流れ(朝→昼→夜)にそって紹介していきます。   朝|ノー洗顔+薄いメイク 朝起きて、まっさきにやることといえば「洗顔」ですが、先生は「ノー洗顔」を推奨。 夜はノーメイクなので、そもそも朝に洗顔は不要とのこと。 気になる方はぬるま湯でササッとすすぐだけでOK。 ラメラ構造は、水と油がバランス良く保たれていることが大事。そのため、肌には適切な油分(皮脂)を残した方が良いのです。 *適切な皮脂量は人それぞれですが、ファンデーションを付けていない状態で「乾燥しない」、もしくは「化粧ノリが良い」状態がベストな皮脂量の目安。 そして、「メイク」ですが、実は肌トラブルの大きな原因だとか。 「お出かけの時や、特別な日はしっかりメイクをしても構わないです。ただし普段は薄いメイクを心がけた方が良いですね。パウダーをはたく程度で、クレンジングを使わなくても落とせるくらいが理想です」 ちなみに先生は「今日は撮影なのでメイクをしていますが、基本はスッピンです(笑)極力メイクをしないのが最高のスキンケアですから」と笑顔で語る。 …とはいえ、いきなりスッピンに抵抗がある方は、今の時期ならではの「アイメイクだけ」がオススメだそう。 「今はマスク生活なので、見える部分(アイメイク)だけして、あとは極力しない。そうすることで肌への負担がおさえられます」   朝|パン食よりも和食を 美容の観点から、朝ごはんは抜かずにしっかり食べた方が良いという。 「小麦に含まれるグルテンは日本人の体質に合わないことが多いので、パン食よりは米の方が良いです。理想は朝から和食。お米、お味噌汁、納豆といった一汁三菜です」 もちろん、多忙で難しい方は、作り置きしたお味噌汁だけ、お米+納豆だけなど、できることからでOK。 朝食をパン→ごはん(おにぎり)に置き換えるだけなら実践しやすそうです。   昼|日焼け対策は「内側」からも シミ、シワ、肌のたるみなど、紫外線が肌にあたえる影響は大きいですよね。 先生は、塗る日焼け止め以外にも、内側からの日焼け対策の必要性を語ります。 「塗るタイプも良いのですが、日焼け止めの吸収剤が入っていることが多く、肌荒れの原因になることも。吸収剤フリーの日焼け止めを使うという選択も1つです。ただ私の場合は、飲む日焼け止めを使うことが多いですね」 飲むタイプであれば、肌への負担も少なく、また将来的なシミ予防にもなるのでオススメだとか。 また日焼け止めを塗り直す手間もないので、忙しい人こそ向いているかもしれません。   昼|ランチは贅沢に!好きなものを食べよう 1日3食の中で、好きなものを食べていいのがランチだそう。 「1日の食事量を10とすると、朝2、夜2、昼6のバランスが理想です。夜が少食な分、昼はガッツリ食べる」 たとえば、昼は頭もカラダも動かすため、たとえ揚げ物などハイカロリーなものでもしっかりと消費してくれるそう。ダイエット中の人でも食事制限せずに好きな物を好きな量食べられるのは嬉しい…! また、女性で多いのが、昼にサラダだけと軽く済ませるケース。 「それだと逆にタンパク質不足になります。タンパク質は、私たちの髪や肌を作るのにとても大事なので、絶対に摂った方がいい成分。サラダを食べるのであれば、サラダ+フライドチキンとか、タンパク質をプラスすることを意識してみてください」 忙しい人はコンビニで食材をちょい足しするもアリ。 普段のランチに、ゆで卵、サラダチキン、フライドチキン、納豆などをプラスするだけで、手軽にタンパク質が補えます。   夜|自分にあった睡眠時間を 多忙な人には悩ましい「睡眠時間」、適切な時間はどのくらいなのでしょう? 「よくみなさんから、『睡眠時間は何時間がいいですか?』って聞かれるのですが、かなり個人差があると思っています」 「ただし、睡眠が6時間を切ると、肌のバリア機能が低下すると言われています。なので美肌のためには最低6時間は確保したほうがいいですね。6時間はキープしつつ、そのあと7〜10時間かは人それぞれ、という感じでしょうか」   夜|洗いすぎには気を付けて! 夜のメイク落としで気をつけたいのは、「洗いすぎ」に注意するということ。 強いクレンジングを使ってゴシゴシ洗うことで、肌表面の美肌菌が落ちてしまい、またラメラ構造で重要な油分(皮脂)を奪ってしまうことに…。 先生は、肌への負担の少ない「ベビーオイル」を使うことを推奨。 また、肌をゴシゴシとこする「シートタイプのメイク落とし」は極力使わない方がいいとのこと。 「そもそも、ふだんから薄いメイクをしていれば強いクレンジングをしなくて済みます。朝のパートに戻りますが、なるべく薄いメイクを心がけた方がいいですね」   夜|少食 or 食べない 「夜にたくさん食べて寝ると眠りが浅くなり、睡眠の質が低下することがわかっています。あとは食べて寝るだけなので代謝が悪く、太りやすくなります」 夜は少食、もしくは「食べない」という選択もありだとか。 「1日2食でも断然いいと思いますよ。みなさん『3食必ず食べなきゃ!』という考え方にとらわれていますが、本来はお腹が空いたタイミングで食べるほうが自然です」 とはいえ、夜を抜くとお腹が減ってしまう。そんな人はどうすればいいのでしょう? 「忙しい方にオススメなのは、ランチを遅めに食べること。朝ごはんをしっかり食べて、ランチを遅めにガッツリ食べる。そうすれば夜は少食or抜くことができます」 また、夜にたくさん食べるくらいであれば、昼に間食しても全然問題ないそう。 夜を少食or抜くことで、睡眠の質が高まる。 睡眠の質が高まることで、成長ホルモンが分泌され美肌へ近づく。 さらには食べないから太らない…これは一石三鳥! 朝→昼→夜にわけた、美容と食事のアドバイス。 ぜひ、できるところから実践してみてください。

ひどい肌荒れ経験から、美容皮膚科を目指す

肌のスペシャリストである三輪先生だが、もともと肌荒れに悩まされた経験から、皮膚科医を目指したそう。 「研修医のときに大学病院で働いていたのですが、本当に多忙でした。 たとえば、朝6時に出勤して、日中は忙しくてランチもできず怒涛の勤務。帰宅は深夜1時。また翌朝6時に出社して…という生活を数年間続けていましたね」 聞いているだけでゾッとするほどの激務。 そんな研修医時代の多忙さは、次第に肌と心をボロボロにしていく。 「気付いたら顔から首にまで全部ニキビが出ちゃって…。本当に辛かったですね。いろんな皮膚科に通いましたが、先生には『薬塗ってね』『抗生剤飲んでね』と言われるくらい。一時的に治っても、生活が変わらないので再発。そりゃそうですよね(笑)」 そもそも肌トラブルの根本的な改善を教えてくれる先生がいなかったそう。 「ふと、『私の生活を聞いてくれた先生っていたかな?』と考えました。どんな職業をしていて、ふだん何を食べているか、といったクエスチョンを投げかけてくれた先生はいなかった」 「保険診療の病院では次々に患者さんを診ていかなくてはいけない場面が多いので、症状に対して薬を出す流れになってしまう。保険診療の限界を感じました」 そこから「美容皮膚科」への興味をもちはじめたという。 「美容クリニックの施術を受けると、すごく治りが早い。あとは、生活習慣、スキンケアについてもしっかりと教えてくれました」 「当時の私からすると、美容医療ってすごく遠い存在でした。『マダムがいくところかな?』みたいな(笑)」 「そんなイメージだったので、ニキビで行くなんて門前払いされるんじゃないかって、ずっと思っていました」

肌は「目に見える臓器」

美容医療は敷居が高い──。 そんな自身の経験を生かして開院した「ロナロナクリニック」では、手頃な価格帯と、先生による親身な美肌アドバイスが人気を呼んでいます。 「皮膚って『目に見える臓器』なんですよね。その人の健康状態が目に見えてわかる。他の臓器は、たとえ数値が改善されたとしても見えないから分からない。でも肌は、結果が目に見えるんですよね」 「最初うつむいて入って来た患者さんが、日に日に綺麗になっていくんですよね。肌が綺麗になると、メイクも変わるし、洋服も変わり、性格も変わる」 「患者さんから『新しい彼氏ができたんです!』『結婚したんです!』って言ってくれることも多く、それがすごく嬉しくて…。美容皮膚科医としてのやりがいを感じますね」

完璧主義をやめよう!まずはできることから

多くの患者さんをみてきた先生は、肌トラブルを抱える方に「ある共通点」があるという。 「傾向で多いのは完璧主義な方ですね。完璧主義な女性ってなんでも一生懸命に頑張りがち」 「仕事も育児も完璧じゃなきゃいけない!スキンケアも完璧じゃなきゃいけない!全部完璧じゃなきゃいけない!でも、なにもできていない私…と、自己嫌悪に陥ってしまう」 先生は、「物事は0か100ではなく、もっと気楽でいいんです」と語る。小さく小さく、できることからはじめてみようと。 たとえば・・・・ ・睡眠時間が短ければ → 1時間増やしてみる ・濃いメイクをしていたら → 薄いメイクにチャレンジしてみる ・クレンジングでゴシゴシ洗っていたら → 負担のない洗顔に変えてみる ・甘いジュースが好きだったら → 無糖のドリンクに変えてみる ・毎日パンやパスタ → 毎週木曜はグルテンフリーの日にしてみる! …etc 「私はお酒を飲むし、ジャンクフードも食べます。ただ、食べる日数や量は減らしています。0か100じゃなくて、自分に負担のない範囲で、できることからやってみてください」

サプリメントも上手に取り入れる

「健康的な食生活」というと、食事から全てを得ようと考えがちですが、先生はサプリメントで補うことも推奨しています。 「私自身、サプリメントはたくさん飲んでいますね。食事だけだと全て摂りきれないですし、あとはビタミンCのように体内で作れない栄養素は外から補うことも必要です」 「オーガニック食品、グルテンフリーなど、(健康的なものは)私も大好きですが、生活のすべてをそれに変えることは難しい。であれば、足りない栄養素はサプリメントで補ってもいい。健康はもっとフレキシブルでいいと思いますね」
「ロナロナクリニック」にて。院内の専用冷蔵庫にLypo-Cも完備。
  美肌は、1日を幸せにしてくれるツール 最後に、先生が思う「美肌を叶えた先にあるもの」について、聞いてみました。 「そうですね。皮膚と脳は関連しているという研究もあるほど、肌が綺麗になることでマインド自体もポジティブに変わっていきます」 「たとえば女性だと、朝起きて、肌の調子が良いだけで1日が幸せですよね。でもニキビが1個あるだけで、1日中最悪な気分だし、恋人にも会いたくない(笑)」 「美肌を手に入れることで、1日がハッピーにはじまり、ハッピーに終わる。私にとっての美肌とは1日を幸せにしてくれるツールですね」
日本語
English