
AWAKENING vol.9 マスク時代にこそ整えたい「歯の美容」。人気の審美歯科医に聞いた
SUMMARY
- ・「かみ合わせ」は美容と健康に影響大!
- ・歯はインナーケアも意識しよう
- ・子どものためのチャリティー活動も
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各分野で活躍するプロフェッショナルに、健康、ライフスタイルから得た“気づき”をシェアしてもらうインタビュー連載『AWAKENING〈アウェイクニング〉』。
最近、コロナ禍で歯の美容(審美治療)が人気を集めています。
マスクで口元を覆う時期だからこそ、集中的に治療を行いたいと思う方が多いからでしょう。
そこで今回は、いま注目を集める「歯の美容」について、人気の審美歯科医で東京・表参道「アイエスデンタルクリニック」院長の石田智子先生に話を伺いました。
最新の審美トレンドから、今日から実践できるホームケアについても教えていただきました。
*Lypo-C 公式インスタグラムにてインタビュー動画を公開中!ぜひこちらもチェック。
石田智子さん(審美歯科医)
東京・表参道の「アイエスデンタルクリニック」院長。
2005年にクリニック開院以来、のべ12万人以上を治療してきた人気歯科医。著書に『あなたの美しさは顔下1/3で決まる!』(新紀元社)。プライベートでは年に一度、自身主催のジャズライブを開催するという多才ぶり。
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Q. 最近人気の高い審美治療とは?
ホワイトニングも変わらず人気がありますが、最近ではマスク生活で歯を見せる機会が減ったため、今では「マウスピース矯正」が大人気です。
マウスピース矯正というのは、透明なマウスピースを使って歯列矯正をしていくのですが、通常のワイヤー矯正よりも見た目は気にならないし、歯の動きも早く、マウスピースが着脱可能で清潔に保てるので、「マスクを付けているこの時期こそ!」という方が多いですね。
それ以外は「セラミック矯正」も人気が高いです。
マウスピース矯正の期間が1年ぐらいかかるものを、セラミック矯正だと1ヶ月程度でキレイになりますよ。歯を削るデメリットはありますが、今もすごく人気の治療です。
Q. 「ホワイトニング」についても伺います。ホワイトニングに興味はあっても「歯が弱くなるのでは?」と懸念される方も多い印象です。その点いかがでしょうか?
「ホワイトニング」という文化自体はアメリカからやってきたものなので、使う薬剤も欧米人の歯を基準に作られているものを使用していました。
日本人は欧米人に比べて歯のエナメル質が薄いので、強い薬剤を使うことによって乾燥したり、知覚過敏が起きる原因になっていました。
現在では、日本人の歯のエナメル質の厚みに合わせた薬剤が作られているので安心してください。
ホワイトニングは歯を白くする以外にも、再石灰化を促して歯を強くしてくれたり、ステインを付きにくくする作用もあります。
虫歯にも効果的なので、美容面だけでなく予防の面からもホワイトニングはした方がいいんです。
あとは精神的な部分も大きくて、皆さん歯が白くなると「キープしたい!」というモチベーションが湧いて、日々のブラッシングを頑張ってくれます。
その点からも、ホワイトニングはオススメですね。
「かみ合わせ」は美容と健康に影響大!
Q. 先生は著書の中で「顔下1/3美容法」を提唱されています。その中でも特に「かみ合わせ」を重視されていますよね。
そうなんです。かみ合わせが悪いと、健康面や美容面に色々な影響を及ぼします。
健康面でいうと、頭痛や首、肩のコリ。
かみ合わせは自律神経にも影響を及ぼすため、難聴だったり、いろんな不調につながるとされています。
美容面でいうと、片方だけほうれい線があったり、ほうれい線そのものが深かったり、お顔の輪郭のバランスにも大きく影響してきます。
Q.かみ合わせがあらゆる不調に影響しているとは驚きです!
そもそも、なぜかみ合わせが悪くなるのでしょうか?
色々な原因がありますが、虫歯で噛めない歯があったり、歯周病で歯を失ってしまうとかみ合わせのバランスが悪くなってしまいます。また、頬杖をついたり、片側だけで噛んでいたりしてもバランスが乱れます。例えば、普段「右の奥歯だけで噛んでる」方は、右側に偏頭痛や肩コリが出ることがあります。
あとは、食いしばりです。
コロナ禍でリモートワークが増えましたが、皆さん一日中パソコンやスマホを見ている。その時に結構食いしばってる方が多いんですよね。
ご自分ではかみ合わせの良し悪しを気付きづらいのですが、私たち歯科医から見ると一目瞭然。
かみ合わせを治療すると、体の不調が改善したという方は多いです。
著書では、かみ合わせを含めた「顔下1/3」に関わるさまざまな美容法が紹介されています。
Q.歯のホームケアについて。正しいブラッシングについて教えてください。
皆さん、ブラッシングというと歯の表面をゴシゴシするイメージがあるかと思いますが、
実は磨くところは3ヶ所だけなんです。
① 歯と歯茎の境目(歯周ポケット)
② 歯と歯の間
③ 歯の裏
この3ヶ所だけ磨けばOK。
あともう一つ付け加えるならば、奥歯の溝ですね。
間違えやすいのが、歯磨きというと歯の表面だけをゴシゴシ磨いてしまうことです。歯の表面をゴシゴシ磨きすぎると細かい傷がついてしまい、その傷の中にステイン(着色汚れ)がつきやすくなってしまうのです。
歯はせっかくエナメル質で表面がツルツルしているのに、毎日ゴシゴシ磨くことによって自ら傷を付けてしまっている。これは意外と知らない方が多いです。
Q.歯の表面は極力磨かない…これは盲点でした。歯ブラシを選ぶ時のポイントはありますか?
歯ブラシは柔らかいタイプのものを選んでください。
歯ブラシの毛の太さは「ミル」という単位で表しますが、市販の歯ブラシがだいたい10ミルだとすると、私たち歯科医は3〜6ミルの、毛の細いタイプをおすすめします。
先ほど、歯と歯茎の間(歯周ポケット)をブラッシングすると言いましたが、硬い毛だとしなりが無いので、ポケットの中に入らないのです。
むしろ歯茎を傷付けて、歯茎が下がる原因になってしまう。歯ブラシはできるだけ毛が細かいものを選びましょう。
Q. 歯磨き後はフロスをした方が良いのでしょう?
欧米では「フロスorダイ」(フロスをするか死ぬかどちらか選びなさい)と言われているほど、フロスは重要視されています。
むしろ歯磨きできなくても、フロスだけしてもいいくらい。
それくらい歯と歯の間には虫歯菌、歯周病菌が溜まっているんです。
歯周病菌は空気を嫌うバイ菌なので、自分では見えないところで増殖してしまいます。フロスを使うことでしっかり掻き出して一掃してくれますね。
ただし、フロスはやりすぎると歯茎が下がることもあるので、毎食後ではなく1日1回でOK。でも毎日必ず行ってください。
定期検診は「口臭チェック」にも有効
Q. 国が歯科検診を義務化したことでも話題ですが、歯科検診はどのくらいのペースで行った方が良いのでしょうか?
お口の中の環境は3ヶ月ごとに変わるため、基本的には3ヶ月に1回の検診をおすすめしています。これは、汚れが石のように硬くなる「歯石」ができるのが、約3ヶ月といわれているからです。
あとは、意外かもしれませんが「口臭チェック」にも歯科健診が役立つということ。
口臭は社会生活に大きな影響を及ぼしますが、なかなか周りが指摘しづらい部分。
そこで私たち歯科医の目線から、口臭があるかどうかを判断することができます。
口臭の原因はいろいろありますが、例えば歯周病菌による膿が出て臭うことがあります。
あとは全身疾患でも口臭が出ることがあります。
胃ガンの原因であるピロリ菌がいると口臭に反映されたり、糖尿病の方は独特の臭い(アセトン臭)からくる口臭もあったりと。
お口の中だけでなく全身の疾患を見逃さないためにも、歯科検診で口臭チェックをする。
そして定期的にお口の中をお掃除するというのは、歯の健康を保つ上でとても重要だと思いますね。
歯は「インナーケア」も意識しよう
Q.「歯の健康」のために、どんな栄養素を摂った方がいいのでしょうか?
歯を司っているミネラルは、ぜひお食事から摂っていただきたいです。
あとビタミンCは、歯茎のサポートには欠かせない栄養素なので、患者さまにはたくさん摂っていただくようアドバイスしています。
食事から摂ることが難しければ、サプリメントで補っていただいても良いですね。
Q. どんな患者さまにLypo-Cをおすすめいただいていますか?
もともと私は、歯の健康にはビタミンCが必要だと提唱しており、Lypo-Cは吸収率が良いということもあって、クリニックでの取扱いを決めました。
歯の健康が気になる方にはLypo-Cをおすすめしています。
歯茎が薄い方は一定数いるんです。
歯茎が薄い方は繊維の量が少ないので、必要な栄養素を補うことによってケアをするようお伝えしています。
Q.先生自身はどんな時にLypo-Cを取り入れていますか?
(手術前の)緊張をしているときにLypo-Cをいただいていますね。
特にインプラントなど大きな手術の前は、すごく緊張するんです。
「こういう風にしなきゃ…!」と、頭の中が忙しくなるし、緊張で体も硬くなる。
Lypo-Cを飲んだ後はスッキリして治療に臨めるので、すごく助かっていますね。
Q. 先生自身、美容と健康面で気を付けていることがあれば教えてください。
美容と健康のためにいろいろしていますが、まずは朝起きてから必ず30〜40分はストレッチとヨガをしています。
診療の日は、一日中クリニックにいるので歩くことがほとんどないんですよね。
なので、趣味のゴルフに行く時は、なるべくカートに乗らずに歩くようにしています。
あとは、普段ほとんどハイヒールしか履かないんですけど、体幹のトレーニングもかねてハイヒールで走るようにしています(笑)
私にとって綺麗であることは重要なのですが、やっぱり健康が一番。
「健康であることの上に美容がある」と思うんですね。
なので食生活も気を付けるし、姿勢や体幹を鍛えることをまずはしっかりやって、そこからの美容かなと思っています。
子どものためのチャリティー活動も
Q. 先生が歯科医を目指したキッカケとは?
私の父が内科の先生で、母が薬剤師という医者家系で育ったので、医療関係の仕事をしたいと思っていました。
歯科医を選んだ理由は2つあります。
私は兄の次に生まれた初めての女の子ということもあって甘やかされた環境で育ったため虫歯がたくさんできたんです。その時にひどい痛みで辛かった経験がありました。
子どもながらに「これはいけない!」と思い、歯の健康の大切さに気が付きました。
あともう一つは、私は絵を描いたり、音楽を演奏したり、歌を歌ったりと、美しいものや芸術に触れることが好きな子どもでした。
医療と芸術、そのふたつを融合できる分野って何だろう…と考えた時に、「歯医者」だと思ったんです。
Q. そんな芸術好きが高じて、プライベートでは「ジャズライブ」も開催されていると聞きました。
そうなんです。実はその昔、音楽事務所に所属していた事があったのですが、歯科医院の開業を機にやめてしまいました。
そんな経緯があったので、あるとき仲間内でCDを作ったところ、周りから「生歌を聴きたい」という声が集まり、小さなレストランでディナーライブを始めました。
最初は50人くらいでしたが、そこから100人、200人と人数が増えてきて大きな会場が必要になり、最近は「ブルーノート東京」で開催しています。
*ライブ風景はYouTubeからご覧いただけます。
このライブはチャリティー活動であり、ご参加の皆さまからいただく費用の一部を立川にある児童養護施設の「至誠学園」に寄付しています。
私の本『あなたの美しさは顔下1/3で決まる!』の売上もすべてチャリティーにあてています。
私には子供がいないので、「子供がいたらこういう風にしたかったな」という願いを込めて、チャリティー活動で応援していますね。
いま日本は少子化ですが、その原因のひとつとして、女性が結婚する年齢が遅くなっていることが挙げられます。
私自身も、このように医療関係の仕事をしていても何歳まで子供が産めるか知らなかったんです。
あとは、歯科医の視点からいうと、歯周病にかかると妊娠しにくかったり、早産になりやすいなど、身体に色々な影響を及ぼすことが最近の研究で明らかになっています。
その点でも歯の健康は大事ですよね。
私の経験から、ぜひ若い女性たちに健康についてもっと知ってもらいたいし、自分のことを大事にしてもらいたい。
そんな思いでこれからも活動を行なっていきたいですね。