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花粉による肌荒れはなぜ起こる?症状や予防法も解説

SUMMARY

  1. ・花粉によって起こる肌荒れ「花粉皮膚炎」
  2. ・花粉皮膚炎を予防する方法
  3. ・花粉皮膚炎を治す方法
  4. ・花粉皮膚炎を悪化させないために気を付けること
  5. ・花粉の時期のメイク
  6. ・まとめ


乾燥する冬だけではなく、春にも肌荒れが起こって困っている人は多いでしょう。毎年春になると肌の調子が悪くなるのであれば、花粉皮膚炎の疑いがあります。
この記事では、花粉皮膚炎について解説します。

花粉によって起こる肌荒れ「花粉皮膚炎」

花粉によるアレルギー反応で起こる肌荒れを総称して、花粉皮膚炎といいます。
ここでは花粉皮膚炎の症状や原因、ほかの皮膚炎との見分け方を解説します。正しく対処できるように、花粉皮膚炎の症状を把握しておきましょう。

花粉皮膚炎の症状

花粉皮膚炎の症状として代表的なものは、花粉の季節における皮膚のかゆみです。それ以外に、赤みや熱っぽさが現れることもあります。
 
これらの症状が毎年花粉の季節にのみ現れる場合は、花粉皮膚炎を疑いましょう。花粉症は目や鼻に症状が出るイメージが強いため、目鼻に症状がなく皮膚だけに症状が出る場合、花粉が原因だと気づかないことがあります。
 
花粉の季節は目のかゆみや鼻水の有無だけではなく、肌の調子にも気を配りましょう。

花粉皮膚炎の原因

花粉皮膚炎は、肌のバリア機能(肌内部の水分の蒸発を防ぐ・外的刺激から体を守る)が低下している状態で花粉が肌につくことで起こります。
 
バリア機能低下の主な原因は、肌の乾燥です。肌が乾燥した状態で花粉の多い環境にさらされると、目や鼻には花粉症の症状が出ていなくても花粉皮膚炎が起こる場合があります。
 
空気が乾燥する冬の間だけではなく、花粉が飛んで肌に負担がかかりやすい春先も、肌の保湿を意識しましょう。

他の皮膚炎との見分け方

花粉皮膚炎は、花粉が付着しやすい首・顔などに症状が出やすいことが特徴です。
 
花粉皮膚炎の表面は湿疹のようなジクジクした状態ではなく、多くの場合は乾燥気味です。また肌荒れだけではなく、ヒリヒリとした痛みを伴うこともあります。
これらの症状が花粉の季節に出たときは、花粉皮膚炎の疑いがあります。
 
スギ花粉が多く飛ぶ2月から4月頃は肌が乾燥しやすい気候でもあるため、より注意しましょう。

花粉皮膚炎を予防する方法

花粉皮膚炎は、適切な対策を行うことで症状を抑えられます。
ここからは、花粉皮膚炎を予防するための効果的な方法を4つ紹介します。毎年花粉の季節に肌荒れで悩んでいる方は、これらの予防法を試してみましょう。

正しいスキンケアを行う

花粉皮膚炎を予防するためには、正しいスキンケアが効果的です。
スキンケアを行うと肌の潤いが保たれ、皮膚のバリア機能を保持するのに役立ちます。皮膚のバリア機能を失わないためには、熱すぎるお湯での洗顔やこすり洗いを避けましょう。
 
マスクの頻繁な付け外しや鼻をかむときの動作も、肌への刺激になります。特に花粉症の人は、肌に負担を与える機会が多いため注意しましょう。
 
洗顔後や入浴後には適切な保湿ケアを行い、肌が乾燥した状態が続かないようにすると効果的です。

花粉が肌につかないようにする

花粉皮膚炎の予防には、花粉が肌につかないようにすることが効果的です。マスクやメガネ、帽子を着用し、肌が露出する面積を少なくしましょう。
マスクが着用できなかったり、長袖が着られなかったりするときは、肌が露出しているところに日焼け止めを塗ると効果的です。
 
帰宅後は室内に入る前に、衣服や髪の毛についた花粉を払い落としましょう。室内に花粉が入り込むのを防ぎたいときは、コットンやニットなど花粉が付着しやすい素材は避け、ツルツルした素材の服を選ぶのがおすすめです。

腸内環境を整える

腸内環境を整えることも、花粉皮膚炎の予防に効果的です。腸は肌の調子とは関係なく思えますが、腸内環境が整うと体全体の免疫力が高まるため皮膚のバリア機能を保つのに役立ちます。
 
腸内環境を整えたいときは、油物の多い食事は避け胃腸に負担がかからない食生活を送りましょう。乳製品や食物繊維も、腸内環境を整えるのに効果的です。
花粉皮膚炎の症状を抑えたいときは、これらの適度な摂取がおすすめです。

規則正しい生活を送る

規則正しい生活を送ることで免疫力を高め、花粉皮膚炎を予防できます。
 
毎日決まった時間に質の高い睡眠を取ることは、免疫力向上に寄与します。睡眠不足やストレスは肌のバリア機能を低下させるため、夜更かしやストレスのたまる生活は可能な限り避けましょう。
 
そのほかビタミンやタンパク質などは肌の回復に必要な栄養分であるため、食事を抜かないようにすることも重要です。

花粉皮膚炎を治す方法

花粉皮膚炎を治したいときには、抗ヒスタミン薬やアレルギーに対する内服薬、炎症・かゆみ止めの塗り薬の使用が効果的です。花粉皮膚炎の疑いで肌荒れが酷いときは、皮膚科を受診して薬を処方してもらいましょう。

病院で詳しく検査してもらえば、肌荒れの原因が本当に花粉なのか、どの花粉に対してアレルギーが起こっているのかなどを詳しく調べられます。
自分にできる対処法で改善が見られないときは、医療機関の利用を検討しましょう。

花粉皮膚炎を悪化させないために気を付けること

花粉皮膚炎を放置してしまうと、悪化して更なる症状が出るおそれがあります。
ここでは、花粉皮膚炎を悪化させないために心掛けておきたいことを4つ紹介します。適切に花粉皮膚炎に対処して、早めに治療しましょう。

刺激しない

花粉皮膚炎を含むさまざまな原因で起こる肌荒れを悪化させないためには、必要以上の刺激を与えないことが重要です。

荒れているところが気になるからといって顔を洗うときに強くこすると皮膚に負担をかけ、バリア機能の低下につながります。かゆいときでもかかないようにし、塗り薬を使用してかゆみを抑えるようにしましょう。

化粧水や乳液などで保湿するときも強くこすらず、掌で優しく付けることがポイントです。

こまめに部屋を掃除する

花粉皮膚炎が起こる可能性があるのは、屋外だけではありません。服や髪についた花粉が舞い上がることで、屋内でも花粉皮膚炎の症状が出るおそれがあります。

屋内に入った花粉は床に落ちるため、定期的に掃除をして除去すれば花粉が室内にとどまることを防げます。
掃除機は使用中に空気が流れ花粉が舞い上がってしまうため、避けましょう。花粉を舞い上がらせずに掃除をするには、雑巾やフロアモップの使用をおすすめします。

ビタミン・タンパク質を意識して摂取する

肌の調子を保つには、皮膚の生成に必要な栄養を意識的に摂取することが効果的です。タンパク質が不足すると、肌のターンオーバーの乱れにつながります。良質なタンパク質を含む魚や肉、乳製品などを積極的に摂取するようにしましょう。
タンパク質以外には、ビタミンB2やB6も肌の調子を整えるために有効です。

食事を抜くことは避け、タンパク質やビタミン、腸内環境を整える食物繊維などをバランスよく摂取し、免疫力を下げない生活を心掛けましょう。

酷いときは病院の受診も視野に入れる

肌が荒れた状態を放置すると、症状がより酷くなるおそれがあります。正しいスキンケアをしたり、肌に花粉が触れないように対処をしたりしても症状が改善されないときは病院で受診しましょう。受診すると血液検査によってアレルギーの原因物質を特定できるため、適切な治療につながります。

花粉によるアレルギー反応は薬物療法による改善が期待できるほか、花粉皮膚炎以外の疾患が隠れていた場合にも適切な対処を行ってもらえます。

花粉の時期のメイク

花粉によって肌が荒れているときに、メイクをして大丈夫なのかと心配する人もいるでしょう。

症状が軽度であれば、メイクは日焼け止めを塗るのと同様に肌を花粉から守る効果があるため、花粉皮膚炎の症状を和らげるのに役立ちます。また、使用する化粧品は肌の刺激にならないように、優しいタイプのものを使うことを心掛けましょう。
保湿力の高いアイテムを使用すれば、肌のバリア力を維持できます。

まとめ

春先の肌荒れは、花粉に対するアレルギー反応で肌に異常が出る花粉皮膚炎である可能性があります。

花粉による肌荒れを予防するには、免疫力を高めたり肌に花粉が触れないように工夫したりなどの対処が有効です。メガネやマスクで肌を覆うだけではなく、日焼け止めを塗ることも肌を守ることにつながります。

市販の薬を使っても症状が改善しないときは、花粉皮膚炎以外の疾患であるおそれがあります。心配なときは、早めに病院で検査をしてもらいましょう。

記事監修


水谷皮フ科クリニック院長
水谷治子先生
水谷皮フ科クリニック

東京医科大学卒業。東京医科大学病院皮膚科、都内美容皮膚科クリニックなどを経て2012年、水谷皮フ科クリニック開院。


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