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暑さが本格化する前に!今日からはじめる「熱中症対策」

SUMMARY

  1. ・「熱中症」は誰にでも起こる可能性あり
  2. ・汗をかき、暑さに慣れる「暑熱順化」のすすめ
  3. ・熱中症を防ぐライフスタイル
  4. ・熱中症を防ぐための栄養素
  5. ・熱中症は恐れ過ぎず、正しい対策を

夏に向けて気温が高まる季節。 
実はこの時期に気を付けたいのが「熱中症」です。 
 
熱中症と聞くと、夏の猛暑日をイメージしますが、湿度の高い6月から注意が必要です。 
 
今回は、『麻布台クリニック』理事長・髙田哲也先生に、熱中症のキホンから、この時期必要な対策まで、詳しく解説いただきました。 

 
 

髙田哲也 先生 
『麻布台クリニック』理事長。2023年、麻布台ヒルズ内にクリニックを開院。一般内科・消化器内科・膠原病リウマチ内科・皮膚科・美容皮膚科などを中心に、健診や予防医療も提供するトータルクリニック。地域の健康を支える存在として、予防から治療まで幅広い医療を担っている。 
麻布台クリニック|公式サイト 
 

「熱中症」は誰にでも起こる可能性あり 

 
──はじめに「熱中症」のメカニズムを教えてください。 
 
髙田先生:運動などで体を動かすと、体温が上がりますよね。 
体は汗をかいて熱を逃がそうとしますが、同時に水分や塩分が大量に汗で失われてしまいます。そうすると、血のめぐりが悪くなり、体温が下がらない状態になります。 
そして体に熱がこもってしまう、これが「熱中症」です。 
 
──熱中症になると、どんな症状があらわれますか? 
 
髙田先生:熱中症は、重症度によってⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度と分かれています。 
 
・Ⅰ度(軽症)|立ちくらみ、筋肉痛、筋肉のつり、大量の発汗など 
・Ⅱ度(中等症)|激しい頭痛、嘔吐 
・Ⅲ度(重症)|けいれん、意識障害、臓器障害 
 
熱中症を軽くとらえる方も多いですが、実はかなり危険です。 
症状を感じたら、すぐに対処しましょう。もし激しい頭痛や吐き気を感じたら、迷わず病院を受診してください。 
 
──もし熱中症になった時の対処法とは? 
 
髙田先生:熱中症になったら、「涼しい場所への移動」「体の冷却」「水分補給」の3つを行ってください。 
 
まず涼しい場所に移動し、衣服の締め付けをゆるめたら冷たいタオルや氷を当てて、体を冷やしましょう。 
冷やす部分は、ワキの下、首筋、鼠径部を重点的に。大きな血管(大動脈)が通っている部分を冷やすことで、冷えた血液が全身を巡りやすくなります。 
 
さらに水分補給では、スポーツドリンクや経口補水液など、塩分を含むものを摂取してください。 
 
熱中症が起こりやすいのは、下記のような場所です。 

 

 

 

──屋外だと「熱中症対策をしなければ!」という意識がありますが、屋内だと油断している方も多そうです。 
他に、特に気を付けた方がいい方、ライフスタイルなどはありますか? 
 
髙田先生:気を付けた方がいい方は、肥満体型の方や運動習慣がない方ですね。こうした方は汗をかく習慣がないので、体に熱がこもりがちです。 

ライフスタイルで言いますと、普段から車に乗る方ですね。車内は高温ですし、クーラーが効くまで時間もかかりますから。 

また、リモートワークなど、室内で過ごすことが多い方も注意が必要です。会社などは室温が調整されているので問題なくても、自宅だとつい対策が不十分になりがちなので、今一度チェックしましょう。 
 
普段から水分を摂らない方は、軽い脱水気味になっている場合もあります。こまめな水分補給を忘れずにしましょう。 

汗をかき、暑さに慣れる「暑熱順化」のすすめ 

 
──熱中症は「夏前」から対策が必要だと聞きました。 

髙田先生:そうですね、気温・湿度ともに高くなる6月以降から注意が必要です。 

気温は上がりつつも、猛暑ではないため「エアコンをつけるほどではないかな?」と迷う頃ですよね。 

気温・湿度が高くなることで、汗が蒸発しづらく、体温がこもりやすくなります。軽い熱中症になる方が多いので、この時期から対策をしておきましょう。 

──具体的にどんな対策をとれば良いのでしょうか? 

髙田先生:まずは夏前に、暑さに体を慣らしておきましょう。これを「暑熱順化」といいますが、簡単にいうと「汗をかいて、体温調整ができる体にしておくこと」を指します。 

特に、デスクワークやリモートワーク中心の方だと、エアコンの効いた涼しい環境ばかりにいるため、汗をかくことが少ないですよね。 

暑さに慣れておくためにも、外で散歩をしたり軽めの運動をしたりすることで、汗をかく練習をしておきましょう。 

また、汗をかくという点では、先ほどお伝えした「軽い運動」のほかに「入浴」も効果的です。 

お風呂に浸かり、しっかり汗をかく。入浴は自律神経のバランスを整えてくれるのでおすすめですね。 

ただし、すぐには暑さに慣れないため、1〜2週間ぐらいは汗をかくための練習期間が必要です。 

 

熱中症を防ぐライフスタイル 

 
──熱中症を防ぐために「屋外」「屋内」で気をつけることはありますか? 
 
髙田先生:「屋外」の熱中症対策では、下記に気をつけましょう。 
 

 

 

つい忘れがちですが「服の素材」は大事です。高温多湿の季節は汗をかきやすくなるため、汗を発散しやすい服を選ぶことが大切です。 
 
また、気象庁が発表している「暑さ指数(WBGT)」は各種天気サイトから確認できるため、屋外で過ごす人や、熱中症対策をしたい方は朝にチェックしておくと良いですね。 
 
次は「屋内」の対策について。 
 

 

 

屋内は油断しがちで、軽い熱中症になる方が多いです。 
 
特に、部屋の温度・湿度に気を付けましょう。6月は湿度が増えるので「除湿機」はあった方がいいですね。 
 
一番大事なのは「水分補給」です。 
ポイントは喉が渇く前に「こまめに」すること。脱水症状は徐々に進行していくため、気づいた時は手遅れになることも。 
 
摂る水分の種類については、屋外での活動中やスポーツを行う際は塩分補給のためにスポーツドリンクが最適ですが、日常的な水分補給には適していません。 
スポーツドリンクには糖分が多く含まれているものが多く、糖分過多になりやすいためです。普段の生活の中で水分を摂る場合は、なるべく糖分が少ないものを選ぶようにしましょう。 
また、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインには利尿作用があるため、頻繁に飲むのは控えましょう。 
 
──ありがとうございます。普段から意識したい、熱中症を防ぐための生活習慣についても教えてください。 
 
髙田先生:まずは、普段から規則正しい生活を意識しましょう。 
不規則な生活や睡眠不足が続くと、疲労が蓄積し、体に大きな負担がかかります。そのような状態では、暑さにうまく適応できず、免疫力も低下してしまいます。結果として体への悪影響が多くなります。 
精神的なストレスも同じです。ストレスがあることで、体の恒常性を乱し、自律神経のバランスを崩すことになります。 
 

熱中症を防ぐための栄養素 

 
──次はインナーケアについて。熱中症予防に効果的な栄養素とは? 
 
髙田先生:ナトリウム、カリウム、ビタミンB群、ビタミンCを摂りましょう。 
 
ナトリウム、カリウムは、脱水症状になると体から失われるため、食事で補充したいところ。ナトリウムは塩分が多い食べ物(お味噌汁、梅干しなど)、カリウムはバナナなどに多く含まれています。ただし、血圧が高い方は塩分の摂りすぎに注意が必要です。 
 
ビタミンB群は、疲労回復を助けてくれる栄養素。特にビタミンB1は夏バテ防止に効果的。ウナギや豚肉などに豊富に含まれています。 
 
さらにビタミンCは、これからの季節の必須の栄養素で、この時期気になる体調ケアをしてくれます。 

 

 

 
ビタミンCは果物に多く含まれていますが、果物は糖質の割合が多く、十分な量を摂ろうとすると大量に食べる必要が出てきます。ピンポイントに効率的に摂取したい方は「サプリメント」でも良いかと思います。 
 
一方、サプリメントは、本当に体に届いているか分からず、なんとなく摂っている方も多いですよね。 
その点Lypo-Cだと、高い吸収率が魅力なので、実感としてもわかってもらいやすく、クリニックでも取り扱っています。 

 

 

 
ただ、「味が苦手…」という方は多いですね。 
私もLypo-Cを摂るときは炭酸水に混ぜるなど、工夫して飲んでいます。 
 
私はお酒を飲むことが好きなので、お酒を飲んだ日の就寝前に飲むことが多いです。翌朝スッキリとした感覚がありますね。 
 

熱中症は恐れ過ぎず、正しい対策を 

 
髙田先生:「熱中症」と聞くと、特に若い方などは、軽く考える方が多い印象ですが、年齢関係なく誰でも起こりますし、重症化すると命に関わる病気でもあります。軽く考えず対策をしましょう。 
 
そのためには、初夏から暑さに慣れて汗をかく練習をしておく。規則正しい生活+栄養素でコンディションを整えていく。 
 
ただ、熱中症を過度に恐れるあまり外出を控えすぎるのは避けたいところです。 
外に出ないことで運動不足になり、別の健康リスクを招く可能性もあります。
必要な対策をしっかりと講じたうえで、過度に不安にならず、日々をアクティブに過ごしていけるといいですね。  


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