
春は「肌トラブル」に注意!今日からできる対策とスキンケア
SUMMARY
- ・なぜ?春に肌トラブルが増える理由
- ・朝晩のスキンケア対策
- ・睡眠は量より「質」を重視
- ・修復・再生には「インナーケア」も意識
新生活がスタートする「春」。
心地よく過ごしやすい季節ですが、肌トラブルを抱える方が急増する時期でもあります。
今回は、春の肌トラブルの原因と、効果的なスキンケアについて解説。
肌の再生医療にも詳しい『白金坂の上診療所』の井上幸彦先生にお話を伺いました。
井上幸彦 先生
「白金坂の上診療所」院長。内科、形成外科、美容皮膚科、再生医療まで幅広く診療。大学附属病院に勤務後、2003年に東京・白金台に「白金坂の上診療所」を開業。個々人の健康状態を包括的に判断しケアしていくことを目的とした“身近なホームドクター”がコンセプト。真皮線維芽細胞や自家脂肪由来幹細胞を用いた再生医療専門家として、メディア出演も多数。
白金坂の上診療所|公式サイト
なぜ?春に肌トラブルが増える理由
──春は肌トラブルを抱える人が増えます。なぜでしょう?
井上先生:春の肌は、冬の乾燥によるダメージを引きずったままのため、肌の防御が甘い状態です。
そこに気温が上がり、外部刺激(花粉、黄砂、PM2.5)、紫外線、寒暖差などの影響で、肌トラブルを抱える方が多いですね。
──肌トラブルを防ぐために、外出前はどんな対策がよいでしょう?
井上先生:外出時は「紫外線対策」をしましょう。
暖かくなると日照時間が長くなり、日中は薄着になることも増えます。そのため、肌が紫外線を浴びる時間が多くなります。
「UVB」の量は多くないためそこまで気にしなくても良いですが、「UVA」は一年中変わらないので紫外線対策は必要です。
井上先生:UVAはガラスも透過するため、室内でも窓からの光を浴びてしまうことに。
そして、意外かもしれませんが「服の色」も影響します。
白い色は光が反射しやすく、黒い色は反射しづらい。明るい服を着ると服の反射で焼けやすくなります。
春は明るい色を着たくなりますが、上着など、顔周りだけでも色のトーンを下げると良いでしょう。
──帰宅後、肌を守るためにできる対策とは?
井上先生:外出から戻ったらまずは洗顔を。
春は外的抗原(花粉、黄砂、PM2.5)が多い時期。それらは服、顔、髪についている場合が多く、外から持ち込むものが8割といわれます。
帰宅したら玄関前で、まずは叩いて落とす。そのあとは着替えたり、洗顔をしましょう。
クレンジングや洗顔料は低刺激のものを使い、こすらず優しく洗う。タオルで拭くとき時も軽く叩くようにして、決してこすらないようにしましょう。
洗顔後は、皮脂が取れてしまっているので早急な水分補充を。美容液、乳液でしっかりフタをしてください。
朝晩のスキンケア対策
──朝と夜、それぞれで意識したいスキンケアを教えてください。
井上先生:朝は顔がツッパリやすいですよね。
睡眠中に皮脂が溜まり、汗もかきます。朝の洗顔ではこれらの汚れを落として、たっぷりと保湿をしてあげましょう。
スキンケアの最後には必ず日焼け止めをして、紫外線対策を。
夜は、洗顔をして外的抗原をしっかり落とす。その後は、化粧水、美容液、乳液という順番で保湿ケアを。
美容液は、睡眠中にリペア効果の高いものを選びたいですね。
もし起床後に肌の乾燥が気になるようであれば、夜は加湿器をつけたり、旅行先のホテルなど乾燥しやすい環境では、部屋干しをするのも効果的です。
睡眠は量より「質」を重視
──スキンケア以外で、肌をリペア(修復・再生)するために意識したいこととは?
井上先生:1つ目は「睡眠」です。
そのカギは「成長ホルモン」を上手く分泌させること。
成長ホルモンが出る時間帯にグッと熟睡できると、肌のターンオーバーや修復を促してくれます。
──「肌のゴールデンタイム」は22時〜翌2時といわれますが、この時間帯に睡眠できれば成長ホルモンは分泌されるのでしょうか?
井上先生:これには少し誤解があり、この時間帯に寝ていると成長ホルモンが出るのではなく、成長ホルモンは入眠から1〜2時間後に分泌されます。
多くの方は21時〜0時前後に就寝し、そこから1〜2時間後に成長ホルモンが分泌されるため、肌のゴールデンタイムという解釈が生まれたのかと。
夜型の方でも、もちろん成長ホルモンは分泌されます。
──つまり、どの時間帯に就寝していても、成長ホルモンは分泌されるのですね。
井上先生:そうなんです。ただし、入眠1〜2時間後にしっかりと成長ホルモンを分泌させるためには、質の良い睡眠をとる必要があります。
睡眠は、寝る時間帯や長さよりも「質」を意識しましょう。
修復・再生には「インナーケア」も意識
井上先生:肌の修復・再生において大事なこと、2つ目は「インナーケア」。
寝ている間に肌も体も修復されますが、そのためにはしっかり栄養素を摂る必要があります。
特にタンパク質、ビタミンB2/B6は、肌のターンオーバーを促してくれます。
また、コンディションを整えるためにはビタミンCやDは積極的に摂りたいですね。
──逆に、肌にNGな食べ物はありますか?
井上先生:「糖質」は気をつけましょう。
糖質はエネルギーの源なので最小限は必要。ですが摂りすぎると余剰分が「糖化」を引き起こします。
糖化すると肌のハリが失われるなど、さまざまな肌トラブルにつながるため、糖質過多にならないよう気をつけましょう。
──「脂質」についてはいかがでしょう?
井上先生:「脂質」はNGと思われがちですが、細胞膜やホルモンを作るなど、体の中でさまざまな役割があるため、ある程度は摂った方がいいですね。
積極的に摂りたいのは「不飽和脂肪酸」です。
オメガ6、3などがありますが、オメガ6は余剰が多く、オメガ3は不足しがちに。なるべくオメガ3をベースに摂っていきましょう。
オメガ3は、青魚(イワシ、サバ、サンマ)、クルミなどに多く含まれています。
動物性脂肪も悪いと言われますが、体には一定量必要ですので、すべてカットする必要はないですね。摂りすぎないようにだけ注意しましょう。
──この時期の「ビタミン摂取」について教えてください。
井上先生:ビタミンDはこの時期の体調管理に重要なのと、特にスキンケアにおいてビタミンCは必須です。
肌のコラーゲン生成には、アミノ酸と鉄、そしてビタミンCが必要。
ビタミンCは不足しがちで、かつ体外へ流出しやすいので、たっぷり摂りたいですね。
ただ、食事だけで摂取するのは難しく、仮にビタミンC 1,000mgを野菜から摂ろうとすると、ビタミンCが豊富と言われているパプリカでも丸ごと3個食べなくてはいけないことになります。その点、サプリメントは有効な手段です。
吸収率を望むのであれば、リポソーム化されたサプリメントが良いと思います。そんな背景から、当クリニックではLypo-Cを取り扱っています。
──先生ご自身もLypo-Cを飲まれていると伺いました。普段のLypo-Cの取り入れ方とは?
井上先生:私は毎朝1包飲んでいます。
本来は水溶性ビタミンですので、汗や尿などで流れ出ない「就寝前」の方が効率は良いとは思います。
普段は1包ですが、生活リズムが崩れた日(多忙、寝不足、ストレスフルな日など)は2〜3包を一気飲みすることもありますね。
まとめ|ゆるみを取って、ハリのある肌作りを
井上先生:春の肌は、冬のダメージを引きずったままの「ゆるんだ状態」。
この時期に正しくスキンケアに取り組むことで、これからの夏や秋に向けた強い肌をつくることができます。
ゆるみを取って、弾力のある強い肌へ戻してあげましょう!
それらをしておくことで、光老化のスピードを抑えることができ、シミ、たるみなどの予防につながります。
井上先生:肌が綺麗になると、気持ちが前向きになり、新しい事に挑戦したり、人とのコミュニケーションも積極的になっていきますよね。
スキンケアは、肌と心にとっても、良い事尽くしだと思っています。
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いかがでしたでしょうか?
春の肌トラブルの原因と対策から、睡眠やインナーケアに至るまで幅広く解説いただきました。
春を心地よく過ごすために、ぜひ実践してみてください◎