
ビタミンDの生成のため日光を浴びた方が良い?日光浴の目安の時間
SUMMARY
- ・ビタミンDの生成に日光が必要な理由と浴びる時間
- ・日光で生成したいビタミンDの働き
- ・ビタミンDの生成以外に日光を浴びたい理由と注意点
- ・ビタミンD生成のための日光浴法
- ・日光浴でビタミンD不足を解消しよう
ビタミンDは毎日の健康維持に必要な栄養素です。ビタミンDは、日光浴により体内で作り出すことができます。しかし、美容意識の高い人の中には「日光に当たることで、シワやシミが増えないか心配」と感じる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、ビタミンDと日光の関係や、適切な日光浴の時間について説明します。日光浴の効果も詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
ビタミンDの生成に日光が必要な理由と浴びる時間
日光浴には、健康維持やリラックス効果などさまざまなメリットがあります。ここからは日光に当たるメリットや、ビタミンDとの関係について紹介します。
● ビタミンDの生成に日光が必要な理由
ビタミンDは食事からも摂取できますが、日光にあたることで生成されます。ビタミン類のほとんどが、体内で生成できないため、このビタミンDの特性は非常に珍しいといえます。
皮膚に紫外線が当たると、皮膚の中にある「7-デヒドロコレステロール」という成分をもとに、ビタミンDが作られます。
ビタミンDを含む食品は限られているため、日光を浴びないと、ビタミンDが不足することがあります。最近では、リモートワークや紫外線対策をする人が増えたため、ビタミンD不足の人が増加しています。そのため、意識的に外へ出て日光に当たることが大切です。
● 日光を浴びる目安の時間
ビタミンDを生成するために必要な日光浴の時間は、15~30分が目安です。必要な日光浴の時間は、地域や天候、季節によって大きく異なります。
以下は晴天日の場合、5.5μgのビタミンDを生成するために必要な日光照射時間です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、18歳以上の男女について、ビタミンDの摂取目安量を8.5μg、耐用上限量を100μgとしています。
冬や北部にお住いの場合は、より長く日光に当たらないと、十分な量のビタミンDが生成されません。一方、夏や南部にお住いの場合は、短い時間でも十分でしょう。
【引用】
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
日光で生成したいビタミンDの働き
ビタミンDは、カルシウムの働きを助ける成分で、健康の維持に重要とされています。生活習慣対策をしたい人に特におすすめです。
ビタミンDの生成以外に日光を浴びたい理由と注意点
日光浴はビタミンDの生成以外にも、さまざまな健康効果が報告されています。ここからは日光浴がおすすめな理由と、注意点を紹介します。
日光を浴びたい理由
日光浴に期待できる効果は、主に以下の3つです。
● 体内時計をリセットできる
1日は24時間ですが、人間の体内時計は約25時間とされています。日光を浴びずに生活すると、1日24時間という周期に体が合わなくなってしまいます。そこで、日光浴をすることで、体内時計がリセットされ、規則正しい生活を送れます。
● 骨や歯を強くする
日光浴をすると、カルシウムを効率よく吸収できるようになります。そのため、骨粗しょう症の対策にも効果的です。
● ストレス解消
日光浴をすると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が促進されます。リラックス効果や、集中力アップにも繋がります。
日光を浴びる際の注意点
日光を長時間浴びると紫外線の影響で、日焼けをしてしまいます。肌が褐色に変化するのは、紫外線によるダメージから守ろうとする働きによるものです。過度な日焼けは健康にマイナスの影響を与えるため、注意が必要でしょう。
また強い紫外線は、肌の柔軟性を保つ「コラーゲン」や「エラスチン」を破壊します。
これにより、たるみやシワの原因になることもあります。
ビタミンD生成のための日光浴法
ビタミンDを効率よく生成するなら、日光浴の方法にもこだわりましょう。ここからは、日光浴のポイントについて紹介します。
● 外に出て日光を浴びる
ビタミンDの生成を目的とするなら、室内ではなく、外に出て日光を浴びる必要があります。紫外線は「UV-B」と「UV-A」の2種類に分かれます。ビタミンDを生成するのは、UV-Bです。UV-Bはガラスを通過しないため、室内での日光浴では効果を期待できません。
● 日焼け止めを塗らずに浴びる
多くの日焼け止めは、肌に塗るとビタミンDの生成を阻害してしまいます。環境省が発行する「紫外線環境保健マニュアル2020」では、SPF30の日焼け止めの使用で、ビタミンD生成量が5%以下になると発表されています。
もし、日焼けによる肌への影響が気になる場合は、日焼け止めは顔だけに塗るといいでしょう。
【参考】
「紫外線環境保健マニュアル2020」(環境省)
https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf
日光浴でビタミンD不足を解消しよう
この記事では、ビタミンDと日光の関係や、適切な日光浴の時間について説明しました。
日光浴の時間は、長すぎても短すぎてもいけません。地域や天候に合わせて適切な時間、日光を浴びることが大切です。ぜひこの記事を参考に、うまく日光浴を取り入れて、健康維持に役立ててください。
記事監修
水谷皮フ科クリニック院長
水谷治子先生
水谷皮フ科クリニック
東京医科大学卒業。東京医科大学病院皮膚科、都内美容皮膚科クリニックなどを経て2012年、水谷皮フ科クリニック開院。