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ビタミンDは美容のためにも意識したい栄養素|摂取の基準量

SUMMARY

  1. ・ビタミンDは美容のためにも摂取したい栄養素
  2. ・美容のために体内のビタミンDを増やす方法
  3. ・美容のために摂りたいビタミンDが不足する原因
  4. ・美容のために摂取したいビタミンDの量
  5. ・ビタミンDは大量摂取に注意
  6. ・ビタミンDで美容のコンディションを整えよう


ビタミンDがどんな栄養素なのか、詳しく知らない人もいるのではないでしょうか?ビタミンDは、美容や健康の調子を整えるのに重要な栄養素です。あまり認知されていない栄養素ですが、近年日本人は不足傾向にあり、その重要性が少しずつ広まってきています。

この記事では、ビタミンDの働きや、体内のビタミンDを増やす方法について紹介します。ビタミンDを生活の中に無理なく取り入れ、健康的な生活を送りましょう。


ビタミンDは美容のためにも摂取したい栄養素

ビタミンは水溶性と脂溶性の2種類に分かれます。ビタミンDは脂溶性で、油に溶けやすい性質を持ちます。

ビタミンDには、D2からD7の6種類があります。そのうち、身体に重要なビタミンDは、D2とD3の2種類です。D2とD3の働きは同じとされています。しかし最近では、ビタミンD3のほうがD2よりも、2倍強く働くとする意見もあります。

ビタミンDは、カルシウムの働きを助ける役割があります。運動する習慣のある人や中高年の人は積極的に摂取したい栄養素といえるでしょう。


美容のために体内のビタミンDを増やす方法

ビタミンDを増やすには、日光に浴びる方法と、食品から摂取する方法の2種類があります。ここからは、それぞれの方法について詳しく紹介します。


日光を浴びる

紫外線を浴びることで、ビタミンDを生成できます。ビタミンの多くは、食品からでしか摂取できないため、これはビタミンDの珍しい特性といえます。

地上に届く紫外線には、UV-AとUV-Bの2種類がありますが、ビタミンDの生成を促すのは「UV-B」です。UV-Aは、窓やガラスを透過するため建物の中にも届きますが、UV-Bは建物の中には入ってきません。そのため、ビタミンDの生成を目的とするなら、外に出て日光浴をする必要があります。

なお、季節や天候によって、紫外線を浴びる時間の目安は異なります。5.5μg(マイクログラム)のビタミンDを生成するには、晴天日の場合、以下の日光照射時間が必要なことが分かっています。

7月(1日に5.5μg全て体内で生成する場合に必要な日光浴の時間)

札幌
97.4 12 4.6 15 13.3

つくば
9 5.9 12 3.5 15 10.1

那覇
9 8.8 12 2.9 15 5.3

12月(1日に5.5μg全て体内で生成する場合に必要な日光浴の時間)

札幌
9497.4 1276.4 152741.7

つくば
9106 1222.4 15271.3

那覇
978 127.5 1517


「体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定-札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-」(国立環境研究所)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html


食品から摂取する

ビタミンDは魚類や乳製品、キノコに多く含まれます。

【ビタミンDを多く含む魚類】
・あん肝
・しらす干し
・まいわし
・ぶり
・うなぎ
・さんま
・鮭

【ビタミンDを多く含む乳製品】
・牛乳
・チーズ
・ヨーグルト

【ビタミンDを多く含むキノコ】
・干ししいたけ
・まいたけ
・しめじ

ビタミンDを食品から摂取する場合は、油炒めがおすすめです。ビタミンDは油によく溶ける性質があるため、油を使って調理すると吸収効率が上がります。

【参考】
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/amenu/syokuhinseibun/mext01110.html

ビタミンDが多い食品ランキング|1日の摂取量の目安


美容のために摂りたいビタミンDが不足する原因

最近では、ビタミンD不足が増えていることが指摘されています。原因には、過剰な紫外線対策や食生活の変化などが挙げられます。

以前は、積極的な日光浴により、ビタミンDの摂取量は十分であったと考えられています。しかし「紫外線は肌のエイジングを進める」という考え方が浸透したため、日光をできるだけ浴びないようにする人が増えました。これによって、日本人のビタミンD不足が進んだと考えられています。

また、以前はビタミンDの豊富な魚介類を摂取する機会が多い傾向にありました。しかし、最近では食の欧米化が進み、魚介類を食べる機会が減ったことも影響しているでしょう。

ビタミンD不足を解消する手段としては、日光浴が手軽です。毎日少しでもいいので、日光に当たる時間を増やしましょう。シワやたるみができないか気になる場合は、腕や足だけ日に当てるといいでしょう。


美容のために摂取したいビタミンDの量

美容や健康の維持などに重要な役割を果たしているビタミンDの摂取量の目安について以下で解説します。

ビタミンDの摂取量目安は18歳以上の場合、男女ともに1日あたり8.5μgが目安です。しかし、日本人のビタミンDの平均摂取量は、1日あたり6.9μgに留まっています。

また、2023年の東京慈恵会医科大学の調査によると、成人した男女の98%はビタミンD濃度が不足しているというデータも発表されました。年齢が低いほど、ビタミンDが不足傾向にあるようです。

【参考】
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

「国民健康・栄養調査結果の概要(令和元年)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf


ビタミンDは大量摂取に注意

ビタミンDの耐用上限量は100μgです。過剰摂取には注意が必要です。ビタミンDは体内に蓄積されるため、過剰摂取すると高カルシウム血症などにつながる恐れがあります。1日の必要量を正しく判断し、適切に摂取してください。


ビタミンDで美容のコンディションを整えよう

この記事では、ビタミンDの働きや体内のビタミンDを増やす方法について紹介しました。ビタミンDは不足しやすい栄養素の1つです。年齢が若いほど、不足しやすい傾向にあります。

体内のビタミンDを増やすには、日光浴や魚・キノコ類の摂取が有効です。ぜひ、この記事を参考にして、毎日の健康にビタミンDを上手く取り入れましょう。

記事監修


Alohaさおり自由が丘クリニック院長
藤堂紗織先生
Alohaさおり自由が丘クリニック

日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在はAlohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。


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