日本に学ぶ綺麗と癒しの智慧 Vol.7 【夏休み特別編】タイ・バンコク
SUMMARY
- ・バンコクの気品を感じるリバーサイドの隠れ家
- ・国民が珍重する香り豊かな米がもたらす深い安らぎ
- ・まとめ
古の智慧が息づく慈愛に満ちたトリートメントで心身解放
世界中のホテルスパを取材し、各地の健康や美のルーツを体験し続けている、トラベル&スパジャーナリストの板倉由未子さんが執筆するコーナー。
今年は毎月、日本の1地域にフォーカスを当て、その土地に根づく“おばあちゃんの知恵袋”的なウェルネスメソッドをお届けしていますが、今月は夏休みということもあり、特別編としてタイ・バンコクに2020年10月にオープンした「カペラ バンコク」をフィーチャー。2025年には日本にも進出し、「カペラ 京都 」も開業予定。今から、注目しておきたいラグジュアリーホテルブランドです。
コロナが明けて初めての夏休み、海外旅行に、ぜひご参考にされてください。
バンコクの気品を感じるリバーサイドの隠れ家
穏やかな国民性や仏教徒が多いことなど、日本との共通点も多く、身近に感じられるタイ。近年、バンコクの進化は目覚ましく、世界基準のスタイリッシュなホテルや美食家もうなるレストランが誕生し、東京を凌ぐ勢いとなっています。滞在先は、今も昔もこの都市の象徴であるチャオプラヤー川沿いにある「カペラ バンコク」がおすすめです。洗練された安らぎを実感する都会のアパートメントのようなホテルで、著名な建築家アンディ・ミラーとリチャード・スコット・ウィルソンによってデザインされました。客室数は101室で、きめ細やかなホスピタリティに温かな心地よさを感じます。
5〜10階に位置し、61㎡の広さの客室「リバーフロント プレミア」は、床から天井までの大きな窓とバルコニーが魅力で、チャオプラヤー川の眺めを満喫できます。また、地元文化に親しむこだわりのアクティビティが用意されているので、参加してみるのもよいでしょう。さらに、スターシェフ、マウロ・コラグレコ氏が監修する一ツ星のレストラン「コート バイ マウロ コラグレコ」では、ゲストひとりひとりの好みに寄り添った、心がときめく地中海料理の品々に出合えます。
国民が珍重する香り豊かな米がもたらす深い安らぎ
「アウリガ ウェルネス バンコク」を訪れると、目の前に広がる美しいガーデンとスタッフの穏やかな微笑みに迎えられます。トリートメントの45分前には到着し、バイタリティルームを満喫することをおすすめします。ジャグジー、スチームサウナ、音や色の変化を楽しむレインシャワー、心地よい温かさのテピダリウムチェアがあり、これから始まる癒やしの時間を受け入れる準備が整います。
体験すべきメニューは、シグネチャートリートメントの「ホム マリ(ジャスミンライスの意)」。タイ米の中で最上級とされ、香り高く上品な甘さが特徴のホム マリは、その名産地であるタイ東北部では、食用だけでなく心身を癒やすためにも使われていました。その伝統療法からヒントを得てつくられたこのメニューでは、最初にジャスミンライスパウダー、アーモンドパウダー、ヨーグルト、はちみつを混ぜ合わせたスクラブで肌を浄化。続いて、ライスオイルを用いて全身のマッサージが行われます。さらに、凝りの強い部分には、米を布で包み蒸し上げたボールが押し当てられます。華やかでおいしそうな香りに包まれながら血行が促進され、心身ともに深くリラックス。肌もしっとりとなめらかになります。
まとめ
パンデミックにより、自由に旅をすることが叶わない期間が長く続きましたが、今年こそ、海外へ出かけてみてはいかがでしょう。日常から離れ異文化に触れることで、固定観念に縛られ、行き詰まりを感じていた自身の心から解放され、新たな活力が沸き上がってきます。バンコクのリバーサイドでの滞在は、やさしくあなたの五感をうるおし、前へ進む勇気を与えてくれるはずです。よいバカンスを!
カペラ バンコク
Capella Bangkok
300/2 Charoenkrung Road,Yannawa, Sathorn,Bangkok 10120 Thailand
℡ +66-2-098-3888
宿泊:1室~THB19,000~(税・サ別)
スパ:ホム マリ 150分THB8,900(税・サ別)
アクセス/バンコク・スワンナプーム国際空港から車で約45分
https://capellahotels.com/jp/capella-bangkok
※1THB≒4.15円(2023年7月下旬現在)
トラベル&スパジャーナリスト
板倉由未子
Yumiko Itakura
『25ans』などの編集者を経て現職に。世界を巡り、土地に息づく癒やし、健康、食、文化をテーマに、各メディアで五感に訴える旅企画を提案&執筆。政府の国際機関や観光局、企業主催のセミナーなどでも、スピーカーを務める。また、イタリア愛好家としても知られ、『イタリアマンマのレシピ』(世界文化社刊)を構成&執筆。また、昨年11月から始まった日本政府観光局のグローバルキャンペーンでは、リラクゼーション分野の専門家として、日本の癒やしについて語っている。Expert Insights Go Deep Into Japan
photos:Yumiko Itakura