
大切な家族だから…ペットの栄養について知りたい 前編 ペットにもサプリメントは必要?
SUMMARY
- ・ペットに必要な栄養素は、基本的に人間と一緒。でも…
- ・栄養不足は避けたいけれど、与えすぎも問題
- ・より良い栄養状態のために頼りたいのがサプリメント
- ・まとめ
Lypo-Cマガジンでは、皆さまからいただくご質問やお悩みをドクターに解説いただく企画“教えてドクター”をスタート。今回はペットに関する質問についてお答えします。
皆さんはペットを飼っていますか?ペットはかけがえのない家族だから、いつまでも元気でいてもらいたいもの。そのために必要なのがペットの健康管理です。なかでも食事は私たち人間と一緒で、健康の要となります。ですが、「自分自身の食事管理も難しいのに、ペットの食事管理がきちんとできているか不安…」と思っている人も少なくないそう。
そこで、熊本でワンちゃんネコちゃんのほか、エキゾチックアニマル(ウサギ、フェレット、モルモット、ハムスター、小鳥など)の動物医療に従事する「竜之介動物病院」院長・德田竜之介先生にペットの栄養管理についてお話を伺いました。2回に渡ってお届けします。
ペットに必要な栄養素は、基本的に人間と一緒。でも…
健康を維持するためには、バランスのとれた食事が必須です。そのために意識して摂りたいのが五大栄養素。脳のエネルギーとなる「糖質(炭水化物)」、エネルギー源であり細胞膜や神経組織・ホルモンの材料となる「脂質」、筋肉や内臓・皮膚・髪など体をつくる元となる「たんぱく質」、そして体の調子を整える「ビタミン」「ミネラル」。この五大栄養素のうち、特に重要な「糖質」「脂質」「たんぱく質」は三大栄養素と呼ばれています。
「ペットも私たち人間と同様で、五大栄養素は必須。ただし約80年生きる人間と、約15年が寿命のワンちゃんとでは栄養の配合バランスが異なってきます」と德田先生。
「ワンちゃんの場合、幼犬、成犬、シニア…と成長のスピードが速いんですね。2~3年のスパンで子供が大人になって年寄りになるように代謝が激しく、その成長過程において必要なたんぱく質の量などが変わってきます。成長に合わせて理想的な栄養バランスの食事を与えることがとても大切です」
そこで德田先生がお勧めするのがペットフードです。
「ペットフードには幼犬用、成犬用、シニア用と、ワンちゃんの成長に合わせた栄養が配合されています。なので、栄養バランスを難しく考えなくても、必要な栄養をきちんと与えることができます。また、ワンちゃんの場合、犬種によっては体重が1kgから100kgと幅がありますよね。例えばチワワとセントバーナードでは必要な栄養の配合量も変わってきます。その辺も犬種別のペットフードに頼るのが正解です」
栄養不足は避けたいけれど、与えすぎも問題
私たち人間と一緒で、ペットは栄養が不足しても、逆にとりすぎても健康に支障が生じるそう。
「最近ではペットに手作りの食事を出している人が増えています。そういう方たちは栄養バランスをしっかり勉強されていますね。でもそのペットにとって完璧な食事を出すには限度があり、とても難しい。そういう意味でもペットフードがお勧めです。人間は不調を感じたら自分で食事を調整できますが、ペットは言葉を発せませんし、自分で栄養管理をできませんから」
そしてペットの健康管理で注意したいのが肥満です。
「ペットが欲するから、かわいいからとついついエサを多く与えがちな飼い主が多いですね。丸々としたペットがかわいいという風潮もあり、肥満のペットが増えています。でも、肥満は“ただ太っている”のではなく、肥満症という一つの“病気”です。ペットは成長のスピードが速い分、病気にもなりやすいんです。ちなみに海外では太っているペットは動物虐待とみなされ、飼い主が逮捕されることもあります。そのくらい食事の与えすぎは良くないんです」
德田先生によるとペットは飼い主に似る傾向があり、飼い主が太っているとペットも太りやすくなるそう。お互いの食事量に気をつけたいところです。
より良い栄養状態のために頼りたいのがサプリメント
「現代、人間は食事の一環としてサプリメントを摂りますよね。最近ではペット用のサプリメントも一般的になり、ペットに与える人が増えてきました」と德田先生。特にお勧めしたいのがビタミンCのサプリメントです。
「ペットも人間と一緒で、ちょっとしたことでビタミンCが消費されてしまいます。ビタミンCは与えすぎても害にはならないので、積極的に補ってあげると良いでしょう。当院でもワンちゃんネコちゃんにLypo-Cを処方することが多いんですよ」
まとめ
先生のお話からLypo-Cをワンちゃんネコちゃんに与られることがわかりました。家族の一員でもあるペットの健康管理は飼い主にかかっています。私たちがLypo-Cを摂るように、必要に応じてペットにも補ってあげたいですね。後編ではより具体的なペットとLypo-Cの付き合い方についてお届けします。
德田竜之介先生
1989年3月 麻布大学大学院 修了
1994年4月 竜之介動物病院 開院
2004年4月 九州動物学院 開校・学院長就任
2008年1月 株式会社竜之介 設立
2011年12月 東日本大震災 被災地視察 これを機にペットとの「同伴避難」啓蒙活動開始
2013年9月 耐震構造の4階建、九州動物学院併設の竜之介動物医療センタービル 設立
2015年9月 九州動物学院が於学校法人昭德学園と認可される・理事長に就任
2016年4月 熊本地震(前震4月14日・本震4月16日)竜之介動物医療センタービルをペット同伴難所として開設。被災地の往診、支援物資の配布、グリーフケア等開始
2017年11月 第49回社会貢献者表彰 受賞
出版物(監修)
小学館「どんな災害でもネコといっしょ」「どんな災害でもイヌといっしょ」
ポプラ社「竜之介先生、走る!」
竜之介動物病院・院長。獣医師。かけがえのない家族である動物に敬意を払い、飼い主とのコミュニケーションを大切にした診療に信頼が寄せられている。熊本地震の際にはペット同伴の避難所を開設するなど、動物も社会の一員である環境づくりにも尽力。