
フルーツを食べる人 vol.6 デーツ
SUMMARY
- ・デーツとは?
- ・面白い特徴
- ・デーツの成分
- ・妊娠中の女性にいい理由
特集記事としてお送りしている”フルーツを食べる人”。
昨年から引き続きご好評を頂き、今回で6回目の連載となりました。今回は、中近東の代表的なフルーツであるデーツを取り上げます。
テレビで紹介されにわかに話題となっているデーツというフルーツをご存じだろうか?
デーツとは、中近東の砂漠地帯に生息するナツメヤシの実のこと。その歴史は古く、紀元前4500年代の古代メソポタミア文明のウル遺跡からも種が出土している。
面白い特徴として、木に実をつけたまま自然乾燥し、いわば天然のドライフルーツとなり、見た目は干しブドウのようになる。
そのため、砂漠を移動する際に、保存食として旅のお供とされてきた。
伝統的には、ラマダーン(断食)期間中の日没後に最初に摂る食事とされるなど、イランやイラクといったアラブ諸国や、北アフリカのモロッコ辺りまでの広い地域で重要な食べ物とされてきた。
砂漠の高温で降雨量が極端に少ない過酷な環境で育つ生命力の強さから、「生命の木」とも呼ばれる。
ビタミンやミネラルなどの栄養が豊富で、美容と健康によいスーパーフードとして砂漠の民に暮らす人々に日常的に食べられ親しまれてきた。
特に豊富に含まれるカリウムは、動脈の浄化作用やコレステロールの減少作用など血管ケアに優れる。 食物繊維も豊富で、アミノ酸やマグネシウムとともに整腸作用が期待できる。
その他、ナイアシンは、肝細胞を破壊するアセドアルデヒドの分解に効果を発揮するといわれ、二日酔いのケアが期待できる。
亜鉛はインスリンを作るために欠かせないので、糖尿病予防にもいいといわれる。
デーツを食すことが文化的に根付いている地域では、特に妊娠期間中や出産後に食べることが習わしとなっている。国によっては、「一日3粒のデーツで元気な赤ちゃんが生まれる」ということわざもあるとのことである。
胎児への栄養になることはもちろん、豊富な葉酸はたんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割があり、胎児の正常な発育に役立つなどの働きをするといわれている。また、血液をつくる働きもあるため、胎児の神経管の発育不全になるリスクを減らすといわれる。
栄養豊富なデーツ。生の状態ではビタミンCが豊富だが、乾燥する過程でビタミンCはほとんど失われてしまう。そのため、ビタミンCは別の方法で摂取するといい。ビタミンCの働きをサポートする「パントテン酸」も豊富である。
中東諸国はきな臭く、先日もイランの対米ミサイルが世の関心を集めたばかりですが、フルーツに国境はありません。世界の安定と平和を願い、灼熱の地域で暮らす人々の健康を支えてきたデーツの驚くべきパワーを日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
【編集後記】
デーツに限らず、フルーツは乾燥させてドライフルーツにすると水分が抜け、ビタミンやミネラルが凝縮されますが、ビタミンCはほとんどが失われてしまいます。
これはビタミンCが水溶性であるため、水分と一緒に抜けてしまうと考えられます。
デーツによってビタミンCが摂れないということがわかっていますので、デーツを摂取する時はLypo-Cも一緒に摂取してみてください。