
フルーツを食べる人 vol.1 ドラゴンフルーツ
SUMMARY
- ・フルーツを食べる人
- ・vol.1 ドラゴンフルーツ
前回プロローグをお送りしました”フルーツを食べる人”。今回から個別のフルーツに焦点を当てた連載が始まります。ビタミンCが豊富なフルーツを探求することで、フルーツを食べることの意味を改めて考えます。
第一回はドラゴンフルーツ(ピタヤ)です。
サボテンが花をつけているのを見たことがあるだろうか。
サボテンは砂漠のような乾燥地帯に自生しており、吸収した水分が蒸発しにくいように葉や茎が太く分厚くなっている。そのため、日照時間が長く、水が少なくても育つ。
見た目として棘が特徴的だが、花もつける。しかし、花をつけるには条件があり、人によっては全く見ることがないので、サボテンに花が咲くということを知らない方も多いのではないだろうか。
サボテンは砂漠で生き抜くために特殊化した。そのため温度や、湿度、日照量、潅水などがそれに準ずる環境になっていないとなかなか開花しない。
また、他の植物と比べ成長が遅く、開花年齢に達していないうちは咲かない。種によっては、75年以上経たないと花が咲かないものもある。
しかし、園芸店で売っているような種は比較的花を咲かせやすい。
それでも、たっぷり日の光を浴びせたり、水をあげすぎず、気温を低く保って休眠させるなどして、やっと花を咲かせる。
そんなやっとの思いで咲いた花も儚く、すぐに散ってしまう。花が散った後に残るのが、子孫を残すために種子が詰め込まれた果実だ。
中でもサンカクサボテンの果実は、ドラゴンの鱗のような不思議な出で立ちで、「ドラゴンフルーツ」と呼ばれている。
その荒々しい姿からは想像しづらいが、皮は手で簡単に剥くことができ、中の果肉はみずみずしく、完熟しているととても甘い。
しかし、日本ではドラゴンフルーツは「あまり甘くない」、「美味しくない」と評する人が少なくない。これは、日本で流通しているドラゴンフルーツのほとんどが輸入品で、あまり日持ちしないことから、未熟な状態で収穫されたものが出回っていることが理由のようだ。
それでもドラゴンフルーツは食物繊維や様々な栄養素が豊富に含まれていることから美容食、ヘルシー食として人気がある。サラダやヨーグルトにトッピングしたり、スムージーやシャーベット、ジュースに加工するなど料理するのもまた一興だ。
もし、本当に美味しいドラゴンフルーツを食べたくなったら、メキシコやベトナム、マレーシア、タイ、台湾などの生産国(あるいは国内では沖縄など)に行ってみるといいだろう。きっと完熟した本当の甘さのドラゴンフルーツを味わうことが出来るはずだ。
【編集後記】
お隣の台湾でもドラゴンフルーツはとても人気で、ショッピングセンターなどでは、日本円に換算すると数十円で購入できるフルーツです。ドラゴンフルーツには果肉が白いもの(ホワイトドラゴン)と、赤いもの(レッドドラゴン)があり、見た目は全く異なるようで味は大変似通っています。どちらも常温ではなく冷蔵庫で冷やして召し上がるとより美味しく感じられることでしょう。淡白な味がサラダとの相性もよく、楽しみ方がデザート一辺倒でない興味深いフルーツだと思います。
日本では食べたことがないという方も多いこのフルーツ。是非見つけたら試してみてください。
※台湾にある弊社が運営しているクリニック「日本元氣診所」にも、お近くにお立ち寄りの際は是非お越しください。
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