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ビタミンB群が多い食べ物とは?働きや摂取量についても紹介

SUMMARY

  1. ・ビタミンBが多い食べ物
  2. ・ビタミンBについての知識
  3. ・ビタミンB群と一緒に摂ることで相乗効果が期待できる栄養
  4. ・ビタミンB群を摂取するときのポイント
  5. ・まとめ


ビタミンB群は代謝にかかわる8種類の水溶性ビタミンの総称です。体の働きを円滑に行うために重要な栄養素で、不足してしまうと体にエネルギーが十分行き届かない可能性があります。
ビタミンB群は、腸内細菌による合成でその一部を人体でも生み出すことができますが、それだけでは量が足りません。そのため、食事からの摂取が非常に重要です。
本記事では、ビタミンBが多く含まれる食べ物と、摂取する際の注意点などについて紹介します。


ビタミンBが多い食べ物

まずは、ビタミンBが多い食べ物を紹介します。文部科学省の発表によると、ビタミンBは肉類、魚類、玄米、イモ類などの野菜に多く含まれています。

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省

以下でそれぞれの食べ物について解説いたします。


豚肉

豚肉は、ビタミンBを含む食べ物として多くの方が最初に思い浮かべる食べ物ではないでしょうか。豚肉はビタミンB1やB6を豊富に含みます。部位によってビタミンの含有量は異なり、最も多くビタミンB1を含むのはヒレ肉の部分です。

豚肉を使う料理には夏は冷しゃぶ、冬は鍋で使うなど数多くありレパートリーが豊富です。
注意点としてはビタミンB群は水溶性のビタミンのため、しゃぶしゃぶのように茹で調理をする料理の場合は、出汁に溶け出てしまいます。
出汁やゆで汁をうまく使う工夫をすると、ビタミンB群を効率よく摂取できます。


レバー

レバーには、ビタミンB群のうち、ビタミンB2が多く含まれています。
例えば豚レバー、牛レバー、鶏レバーのどれもがビタミンB2を多く含んでおり、100gあたりの含有量が最も多いものは豚レバーです。

レバーは鉄分を多く含み、貧血予防のために食べられるというイメージもありますが、ビタミンB群を含むその他の栄養も豊富に含んでいます。
ほかのビタミンとして、ビタミンAの一種、レチノールが豊富に含まれており、皮膚の新陳代謝を高めたり角質層にヒアルロン酸を増やす効果があります。
レバーは健康を維持したい方、美肌になりたい方にも効果的な食材です。


青魚

青魚全般、とくにサンマやサバなどは、ビタミンB12やB6を豊富に含む食材です。
青魚は、スーパーで簡単に手に入れられる食材で、肉同様にさまざまな調理方法があります。そのため、ビタミンBを摂取する手段としては比較的簡単な部類だといえるでしょう。
とくに旬の青魚は、産卵前に栄養を蓄えているとされており、ビタミンを効率よく摂取できるうえに、おいしく食べられます。

このほか、缶詰の青魚からもビタミンBは摂取可能です。サバ缶をそのままお味噌汁に入れたり、晩酌のおつまみとしてサンマ缶をつまんだりということでも、ビタミンBが補給できます


玄米

玄米は、ビタミンB1やナイアシンを多く含む食材で、食物繊維やミネラルも豊富です。
日本人はその多くが3食のどこかでお米を摂るため、毎日の食事を玄米に置き換えることで、気軽にビタミンの摂取ができます。

最近の炊飯器には、玄米モードがついているものも多いため、家庭でも簡単に玄米を食事に取り入れられます。ただし、玄米は精米されていない影響で、お米に水が染み込むまでに時間がかかります。
ライフスタイルに合わせて、無洗米の玄米を使ったり、炊飯前に漬けておく水をぬるま湯に変えるなどすると、炊飯時間の短縮が可能です。


野菜

野菜は、種類に応じて含有するビタミンB群の種類が大きく異なります。
例えば、トウモロコシやブロッコリー、アスパラガスなどは葉酸を多く含みます。一方で、サツマイモやジャガイモ、カボチャなどはビタミンB6を多く含む食材です。
これらの野菜は、メイン料理の付け合わせのほか、サラダやお味噌汁の具材などとしても人気が高いです。
その日の献立に合わせて、足りない栄養素を補うように野菜を使えれば、ビタミンB群の栄養素を満足に摂取できるでしょう。


ビタミンBについての知識

ビタミンB群は8種類の水溶性ビタミンの総称です。主にからだのエネルギーを作り出し、代謝を円滑にする大切な役割です。
以下では、ビタミンB群が持つ効果や、1日分の摂取量、不足したときの症状や過剰摂取の症状について紹介します。


ビタミンB群とは?

ビタミンB郡とは、水溶性ビタミンのうちビタミンCを除く以下の8種類のことを指します。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ナイアシン
  • パントテン酸
  • 葉酸
  • ビオチン

これらは酵素反応に関わり、いわゆる「補酵素」としてはたらき、糖質・たんぱく質・脂質の代謝を助けます。
体内でエネルギーを作り出すための手助けをしているだけでなく、肌や髪を構成するたんぱく質の働きを助け、それらの健康を保つという効果もあります。このように、ビタミンBは健康にとっても美容にとっても欠かせない栄養素の一つです。


ビタミンBの1日の摂取量

厚生労働省が推奨する、ビタミンB群の1日の摂取量目安は以下の通りです。



(葉酸は妊娠中・授乳期は平常時よりも多く接種することが推奨されています。)

以下の資料も参考にしてください。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|厚生労働省


ビタミンB群が足りないとどうなる?

ビタミンB群が不足していると、からだにどのような変化が起きるのでしょうか。
以下で代表的な症状についてご紹介します。

  • ビタミンB1の不足: 疲労感・食欲不振
  • ビタミンB2の不足: 成長障害・皮膚の炎症
  • ビタミンB6の不足: 皮膚の炎症
  • ビタミンB12 の不足: 貧血
  • ナイアシン の不足: 皮膚の炎症・下痢・しびれ・脱力
  • パントテン酸の不足: 成長障害・しびれ・脱力・皮膚の炎症
  • 葉酸の不足: 貧血
  • ビオチンの不足: 皮膚の炎症・食欲不振

このように、ビタミンB群が不足していると、さまざまな健康障害が発生します。可能な限り避けるためにも、多くの栄養を摂取しましょう。


ビタミンB群を摂りすぎるとどうなる?

ビタミンB群は水溶性のビタミンで、多少摂り過ぎたとしても、尿として体外に排出されるため、過剰になるということはあまりありません。
しかし、体によいからと摂取量を増やし過ぎると、かえって病気やさまざまな症状を引き起こす可能性もあります。

以下は、ビタミンB群の過剰摂取で発生する可能性がある症状の一覧です。

  • ビタミンB6: 手足のしびれ/痛み・神経障害・感覚障害・腎臓結石
  • ナイアシン: 全身の痒み・皮膚の炎症・嘔気・嘔吐・便秘・下痢・肝機能障害・劇症肝炎
  • 葉酸: 発熱・じんましん・神経障害・味覚障害

とくにサプリメントでビタミンB群を摂取しようとしている場合は、用法用量を守って使用しましょう。


ビタミンB群と一緒に摂ることで相乗効果が期待できる栄養

ビタミンB群は、単体で摂るよりも他の栄養素と一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。「栄養相乗効果」といい、お互いの栄養作用を助け合います。
以下で、ビタミンB群と一緒に摂ることで効果アップが期待できる栄養素をいくつかご紹介します。


ほかのビタミンB群栄養素

ビタミンB群の栄養素は、お互いがお互いを助け合うように作用します。
一見すると同じビタミンということで意味が無いようにも見えますが、ビタミンB群はそれぞれ作用する箇所が異なるため、役割分担をしながらお互いの働きを高め合ってくれるのです。
効率よくビタミンB群を身体に取り入れたい場合は、8種類のB群をバランスよく摂取する必要があります。食事からビタミンB群を摂りたい場合は、いくつかの料理に分けて摂取するとよいでしょう。


アリシン

アリシンは、ニンニクやニラに含まれる成分で、ビタミンB1の吸収を手助けする作用があります。
アリシン自体は独特の辛味を持ちますが、高い抗菌・抗酸化作用を持っており、免疫力の向上に役立ちます。そのため、風邪を引いたときにニンニクやニラを摂取すると、風邪の回復を促進する効果が得られるのです。

このように、アリシンは単体でも健康状態を保つのに大きな役割を果たします。ただし、殺菌作用が強く善玉菌も殺してしまい、腸内環境を悪化させやすいため、過剰摂取をしないようにしましょう。


マグネシウム

マグネシウムは必須ミネラルの一種で、ビタミンB1・B2・B6が働くための酵素の材料として使われています。そのため、マグネシウムが不足しているとビタミンB群の一部が、働きを損なってしまいます。

マグネシウムはそばや玄米ご飯に多く含まれていますが、生活スタイルや食生活の変化から、現代の日本人には不足していることが多いといわれています。
ビタミンB群を摂取するときには、併せてマグネシウムも意識的に摂取するとよいでしょう。


ビタミンB群を摂取するときのポイント

ビタミンB群を摂取するときには、いくつかのポイントがあります。
1つ目に、ビタミンB群は種類が多いため、1種類を多くとるのではなく、まんべんなく複数種類のビタミンB群を摂取することです。
前述した通り、ビタミンB群はお互いがお互いを助け合うように作用します。そのため、単体で取るよりも、複数種類を摂取したほうが効率がよいためです。

2つ目に、ビタミンB群を毎日こまめに摂取することです。ビタミンB群は、水溶性のビタミンです。そのため、体に貯まりづらく、排尿の際に多くが流れ出てしまいます。
毎日の食事で、こまめにバランスよく摂取しましょう。

最後に、不足を見極めるためのポイントですが、ビタミンB群は補酵素として体の疲れを取るためのさまざまな働きをします。そのため、寝ても疲れが取れなかったり、肩こりや口内炎が直らないなどの症状が出たら、ビタミンB群の不足を疑うとよいでしょう。

まとめ

本記事では、ビタミンB群に関する情報を網羅的にまとめました。
ビタミンB群は、健康や美容を維持するために重要な8種類の水溶性ビタミンです。毎日体外に排出されてしまうため、ビタミンB不足に陥らないためには、バランスのよい食事を続けることが必要不可欠です。ビタミンBの働きや特徴を知り、健康な身体づくりを心がけましょう。

記事監修


矢加部文院長
みやびクリニック

長崎大学医学部卒業後、長崎大学形成外科入局。
福岡大学形成外科レーザー外来・美容医療担当の経験などを経て、
2016年に形成外科・美容皮膚科みやびクリニックを開院し、院長を務める。



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