長い冬が過ぎ去ろうとし、春の到来を告げる陽射しに自然と足取りも軽くなる今日この頃。
と同時に、外に出るのがだんだん億劫になってくる……。理由はそう、「花粉」という見えない大敵がいるから。
2人に1人が花粉症。
2017年に東京都が発表した報告書によると、なんと「都民の48.8%が花粉症」と推定されています。
つまり、都内に限ると、約2人に1人が花粉症というのです。
年々その数字は増しているどころか、発症の低年齢化も進んでいるとか。
その増加には、身の回りの環境に化学物質が蔓延していたり、食生活に加工食品が広く浸透しているといったさまざまな要素も関係しているようですが、まずは花粉症のメカニズムをおさらいしましょう。
花粉症とは、各種花粉に含まれるさまざまな物質に対するアレルギー反応であり、体を守る免疫反応のひとつ。
私たち人間の体の免疫システムは優等生で、鼻や目は異物が侵入してくると、無害化しようと攻撃してくれ、何らかの反応を示します。
しかし、免疫システムのその真面目さゆえに、見えない植物の花粉に対しても過剰反応することで、結果的にくしゃみ、鼻水、目のかゆみといったアレルギー症状を引き起こすというわけです。
なかでもスギやヒノキは有名ですが、日本だけでも約20種もの植物が花粉症を引き起こす原因になっているそう。
サーファーは花粉症知らず!?
アレルギー反応は、肌、口、鼻、目といった外界からの入り口に起きるため、皮膚と粘膜を強くする免疫力がカギです。
そこで取り上げたいのが、「サーファーに花粉症が少ない」という話。
これ、都市伝説ではありません。
紫外線を浴びることで体内に生成されるビタミンDが免疫力を高め、花粉症の症状緩和につながることがさまざまな研究報告で発表されています。
そのため、太陽が友達のサーファーたちは花粉症知らず、と言われているわけです。
体質改善の第一歩は、原因の特定。
健康のあり方は人それぞれ。自分にとっての健康の解もひとつではないし、年齢や環境によってもスペクトラム的に変化していくもの。
今の”自分の体”をゼロベースで疑ってみることも、時には大事。 もしかすると花粉症と思い込んでいたものが、実は別のアレルギーや体調不良から作用されているかもしれません。
まずは、自分の今の体の状態を知ることから、健康の旅がはじまります。
(参考)
・村田晃「新ビタミンCと健康 21世紀のヘルスケア」(2012)
・柳澤厚生「つらくないがん治療 高濃度ビタミンC点滴療法」(2017)
・花粉症患者実態調査報告書(東京都公式HP)